「遺言書なんて、まだ早い。」
「うちは家族仲がいいから揉めることはない。」
「財産なんて大したものはない。」
このように考えている方は、とても多いのではないでしょうか。
しかし、行政書士として相続相談を受けていると、実際に相続でもめたご家庭ほど、亡くなる前には「うちは大丈夫」と話されていたというケースが少なくありません。
相続や遺言に関するお話をお聞きする機会が多いですが、「もっと早く相談していれば…」という言葉を耳にする機会は決して少なくありません。
遺言書は「亡くなる人のため」のものではありません。
残される家族が安心して暮らしていくための、大切なメッセージなのです。
「財産が少ないから遺言はいらない」は誤解です
遺言書というと、多額の資産を持つ人が作るものというイメージを持たれるかもしれません。
しかし、相続で争いになりやすいのは、実はごく普通の家庭です。
その理由は、預貯金なら分けることができますが、自宅や農地などの不動産は簡単に分けられないからです。
例えば、自宅しか財産がない場合、「誰が住み続けるのか」「売却するのか」「代償金はどうするのか」といった問題が生じます。
また、「長男が親の介護をしていた」「娘が何年も世話をしていた」といった事情があっても、遺言がなければ法律上は十分に反映されない場合があります。
「うちは財産が少ないから大丈夫」ではなく、「財産が限られているからこそ遺言が必要」というケースは少なくありません。
家族仲が良くても、相続は別問題です
「子どもたちは仲がいいから心配ない。」
これもよく聞く言葉です。
もちろん、ご家族の仲が良いことは素晴らしいことです。
しかし、相続では配偶者や子どもだけでなく、その配偶者や生活環境、経済事情など、さまざまな事情が関わってきます。
本人が望んでいなくても、「法律どおりに分けるべきではないか」という意見が出ることもあります。
結果として、それまで良好だった兄弟姉妹の関係が悪化してしまうこともあります。
遺言書は、「誰を優遇するため」のものではありません。
自分の意思を明確に残し、家族が迷わないようにするための道しるべなのです。
遺言書は「書けば安心」ではありません
最近ではインターネットで遺言書の書き方を調べることもできます。
しかし、実際には、
- 法律で定められた形式を満たしていない
- 日付や署名に不備がある
- 財産の表示が曖昧
- 相続人の記載に誤りがある
- 内容が実現できない
といった理由で、せっかく書いた遺言が十分な効力を発揮できないケースもあります。
また、「長男に家を相続させる」とだけ書いていても、預金や農地、株式など他の財産について何も書かれていないため、結局は相続人全員で話し合いが必要になることもあります。
遺言書は、単に文章を書くことではなく、「家族が実際に手続きを進められる内容になっているか」が重要なのです。
行政書士だからできる「想い」と「手続き」の橋渡し
行政書士は、遺言書そのものだけでなく、相続全体を見据えたサポートができます。
私は行政手続きに携わる中で、多くの市民の方の相談に対応してきました。
その経験から感じるのは、相続は法律だけでなく、「家族への想い」をどう形にするかが何より大切だということです。
例えば、
- 自宅は配偶者に残したい。
- 農地は耕作している子どもに引き継いでほしい。
- 障害のある子どもの生活を守りたい。
- 世話になった人へ感謝の気持ちを伝えたい。
こうした想いを、法律に沿った形で実現できるようお手伝いすることが、行政書士の役割です。
「まだ早い」ではなく、「今だからこそ」
遺言書は、体調を崩してから慌てて作るものではありません。
判断能力が十分にあり、自分の考えをしっかり伝えられる今だからこそ、落ち着いて内容を検討できます。
そして、一度作成した遺言書は、必要に応じて何度でも書き直すことができます。
「今決めたら一生変えられない」というものではありません。
だからこそ、まずは気軽に相談してみることが大切です。
将来の安心は、一度の相談から始まります
「うちはまだ関係ない。」
そう思っていた方が、相談後には「話を聞いておいて本当に良かった」と安心されることは珍しくありません。
遺言書は、ご自身のためだけでなく、大切なご家族への最後の思いやりでもあります。
当事務所では、お一人おひとりの家族構成や財産の状況、ご希望を丁寧にお伺いし、「法的に有効」で「家族が実際に困らない」遺言書づくりをお手伝いしています。
これまで培った行政実務の経験と、行政書士としての専門知識を活かし、「何から始めればいいか分からない」という段階から丁寧にサポートいたします。
遺言書は、もしものときのためだけではありません。大切な家族に安心を残すための、未来への準備です。
「まだ早いかな」と思ったその時こそ、実は相談に最も適したタイミングかもしれません。
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