お役立てコラム

就労継続支援事業所を運営するための注意点 その1

最近の厚生労働省の通知などには、「障害者支援や障害者福祉制度等といった障害福祉サービスの円滑な運営のための知識や、就労支援事業会計等の生産活動の運営のための知識が必要不可欠であるにもかかわらず、「特段の知識等がなくとも事業所の運営は可能であり、高収益が実現できる」等の謳い文句により、安易な事業所の開設を他者に勧める等の不適切な行為を行っている者」というフレーズがよく出てきます。

このことからも、障害者支援や障害者福祉制度等といった障害福祉サービスの円滑な運営のための知識や、就労支援事業会計等の生産活動の運営のための知識を備えているかどうかについて、指定権者が法人の責任者に対して細かく確認されることが予見されます。特に、新規の指定就労継続支援事務所は注視されることを念頭に入れたうえで対策を講じる必要があります。

新規指定の取組・スケジュール例

国が示しているスケジュール例では、「指定の5月前」に事前説明、確認を行うとされています。

事業計画書等審査

事前説明・確認

・事業開始の理由

・就労支援の方針

・法人理念(障害者支援に対する理念や目的を含む)

・必要な知識を有しているか

・遵守すべき事項を理解しているか

が確認されることになりますので、法人の責任者自身がしっかり把握して質問に答えることができるかが問われることになります。

どのような確認方法がとられるかはわかりませんが、確認される前に十分準備をしておくことが重要です。

事業計画書等の審査

事業計画書等審査では、事業所の管理者が責任をもって作成又は把握することとされ、地域の特性、事業内容、生産活動内容及び職員体制等に応じた内容が事業所単位で個別に記述されるべきものであるため、他事業所の指定申請書類及び事業計画書等の流用は原則認めないとなっていることから、十分な対策が必要です。また、次の事項も問われます。

・就労継続支援事業を選択した理由(A型又はB型を選択した具体的理由)

・開所予定地の支援ニーズの詳細及び予定地周辺に設置されている就労継続支援事業所に関する情報を把握しているか

利用者の募集方法(募集条件)

募集については、実態に沿った適切な募集を行っているかが問われます。

生産活動の適切性

次の事項が問われます。

・具体的な生産活動の場面があるか

・当該生産活動により一般就労に必要な能力向上が見込まれるか

・それにより安定した生産活動収入を得ることができるか

・地域の中に当該生産活動により習得した能力が活かされる労働市場や求人があるか

・生産活動の収益が適当か(収入が支出と合っているか)

・業務委託費が妥当か(取引価格や単価が過大又は過小に設定されていないか)

在宅支援の適切性

主にオンラインによる在宅での就労であるが、公費による就労支援の生産活動として適さない可能性がある活動や、就労に必要な知識及び能力の向上に寄与しない自習を行わせているなど、就労支援の実態が認められない不適切な事業運営をしていないかが問われます。

在宅支援を行う場合は運営規程において、在宅での訓練内容及び支援内容を明記しておく必要があります。

・収支予算書

事業開始から2、3年の中期的な計画も確認することが望ましいとされ次のような事項の確認をすることとされて、根拠資料も示す必要があります。

・利用者の賃金・工賃を支払うことができる生産活動収入が見込まれるか

・継続的な事業見込みと実効性があるか

・生産活動の具体的な内容及び収入見込みとの整合性

○生産活動による収入確保に係る確認

・生産活動による収入確保の具体的な見通し(取引予定、売上の見込み等)

・先行事業所との差別化に向けた計画(生産活動による収益に影響を与える要 素)

・生産活動の継続性の有無

・継続的に収益を得られると言える根拠の確認

・利用者が当該作業に従事できる時間

・複数の生産活動、取引先を確保しているか

○生産活動の内容 ・当該生産活動に障害者が従事することで就労に必要な知識及び能力

・(職場に おけるコミュニケーションスキル等も含む)の向上が図られるものか

・生産活動以外に就労に必要な知識及び能力の向上のための訓練カリキュラム を予定している場合、サービス提供時間に占める生産活動時間の割合

○生産活動に係る取引先情報

・企業等の名称、所在地、代表者、どのような契約をする予定か

・単一の取引先だけでなく、複数の取引先を確保しているか (単一の取引先の場合は、十分な量の生産活動を確保しているか)

確認にあたっては、「生産活動シート」を活用することとされており、その内容を把握しておく必要があります。

生産活動シート

専門家会議審査

事業計画書等について、就労支援における専門的観点及び生産活動会 計を含む経営的観点から総合的に審査を行うため、事業計画書等審査と合わせて専門家会議審査を実施することが望ましいとされています。

依頼すべき専門家の例は次のとおり示されていますが、日頃から付き合いのある専門家を通じて相談することが一番効率的だと考えます。

・協議会等を構成する団体

・地域の模範となる優良事業所

・中小企業診断士

・社会保険労務士

・税理士

・公認会計士

・弁護士

・行政書士

・よろず支援拠点等

指定申請審査

指定申請書類の審査を行う際に、障害福祉サービス事業への用途変更が完了していること、物件の改修工事や消防署の指導による設備の設置が完了又は完了見込みであるか確認した上で指定予定年月日を決定する必要があります。(根拠書類が必須)

現地調査が行われるので、書類と整合性が取れているか再確認する必要があります。

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