お役立てコラム

就労継続支援事務所を運営するための注意点 その2

 既存事業所の運営状況の把握・指導に対する注意点

指定権者の役割

障害者総合支援法に基づき、事業所に対し定期的に運営指導を行い、事業所の運営やサービス提供の状況を把握することを求められており、次の事項があればすぐさま監査に切り替えて対応することとされています。

  1.  指定基準、法令に係る違反
  2.  会計上の不正等
  3.  不適切な運営実態等
  4.  正当な理由なく他事業所の指定申請書類及び事業計画書等の流用
  5.  申請書類に虚偽の内容を記載していた場合
  6.  留意事項通知に記載されていることが守られていない

上記事案が確認された場合、障害者総合支援法第49条による勧告・命令、第50条による指定の取消等の厳しい処置が行われることもあります。

運営状況の把握・指導の観点

運営指導は、概ね3年に1回実施することとされていますが、就労継続支援B型については公費による就労支援の生産活動として適切な活動内容になっているか等、適切に運営されているか確認する必要があるため、新規指定から概ね6月を目途に実施することとされています。

なお、生産活動シートについては、運営指導や監査の際に求められることが多いですが、毎年度4月の「介護給付費等算定に係る体制等に関する届出書」の届出時に求めることを推奨していることから、毎年作成しておいた方がいいです。

就労継続支援A型においては、スコア表、経営改善計画書及び財務諸表等についても提出を求められることがあるので、日頃から書類を整備しておく必要があります。

人員配置においては、サービス管理責任者の確保、配置については十分注意する必要があります。名義貸しは論外ですが、長期にわたって欠員が続くようでは、減算になるだけでなく事業所の支援の質の低下に繋がることになるので、望ましくありません。

また、頻繁な離職も質の低下につながることが懸念されるので職員の処遇・待遇にも注意を払う必要があります。

生産活動による収入額は、報酬区分に影響を与える重要な確認事項であるため、根 拠書類によって入念に確認することとされています。

生産活動収入や自立支援給付費の金額を比較し、生産活動収入よりも支払った賃金・工賃の総額が高くなっていないか、高額な支出項目がないか等を確認されます。

就労継続支援A型のスコア得点、就労継続支援B型の平均工賃月額の記載に誤りがないかが具体的な確認項目になります。

また、次の事項については監査につながることになるので特に注意が必要です。

  1.  福祉事業会計と生産活動会計を区分しているか
  2.  生産活動による収入をどの程度得ているか
  3.  自立支援給付費等を実質的に利用者の賃金
  4.  工賃に充てていないか

※業務委託費が生産活動会計の収入として計上されており、納品書等の書類上では受発注等が行われているように見えるものの、発注元が運営法人等であり、自立支援給付費等を業務委託費の原資としているため、実質的に自立支援給付費から賃金・工賃を支払っている事例や、これに加えて生産活動の実態がなかったり、委託内容に比して業務委託費が過大である事例が見受けられるため留意すること。

  1.  就労継続支援A型のスコア得点や就労継続支援B型の平均工賃月額の算定の際に自立支援給付費を含めていないか(自立支援給付費を補填した金額で算定することは不適切である)
  2.  生産活動シートにおける賃金・工賃総額と報酬算定区分の届け出に差異はないか
  3.  一昨年度、昨年度まで生産活動収支が多額の赤字だったが黒字化した事業所の場合、どのように黒字化に至ったのか具体的な取組の確認

 利用者への支援内容の実施状況及び適切性

運営指導や監査では次の書類の確認も行われるので、日頃から適正に整備しなければなりません。

  1.  個別支援計画の作成記録
  2.  モニタリング等の実施状況の記録
  3.  サービス提供記録等

会計情報

次の会計に係る書類を日頃から整備しておくことが必要です。

  1.  就労支援事業事業活動計算書
  2.  就労支援事業事業活動内訳表
  3.  就労支援事業別事業活動明細書
  4.  就労支援事業製造原価明細書
  5.  就労支援事業販管費明細書
  6.  就労支援事業明細書

賃金・工賃の支払い状況

自立支援給付費など、生産活動収入以外から補填していないか確認が必要です。

経営改善計画書の提出(就労継続支援A型)

経営改善計画書は、財務諸表等との整合性を確認されることがあるので、実現性を説明できる計画にする必要があります。

在宅支援の実態

在宅支援を実施する場合は、個別支援計画やサービス提供記録等を特に整備しておく必要があります。

施設外就労の実態

施設外就労については、次の要件を満たしているか注意が必要です。

  1.  取引価格が過大又は過小ではないか?
  2.  管理者及びサービス管理責任者が本体施設に配置されていること
  3.  運営規程に位置づけられていること
  4.  個別支援計画に事前に位置付けられていること
  5.  職員が施設外就労先に必ず同行し、利用者に対して作業等の指導を行っていること
  6.  施設外就労実施時における、当該事業所内の人員配置が基準を満たしていること
  7.  緊急時の対応ができること
  8.  必要性があるか

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