お役立てコラム

わかりやすい法人設立【後編】

営利法人と持株会社

営利法人は、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社の4種類があります。令和4年分の税務統計によれば、株式会社は2,676,118社で全法人の約93%を占めており、会社といえば株式会社といってもいいほどだと思います。それに対して、合名会社は3,068社、合資会社は12,290社、合同会社は184,501社あります。合名会社、合資会社、合同会社を併せて持株会社といいますが、持ち株会社の中では合同会社が一番人気があると言えます。

持株会社の中で、合同会社人気が高いのは次のような要因があると考えます。

後に株式会社との比較も行いますが、持ち株会社の中では上記の比較では「構成員の責任」以外に大きな違いはありません。他にも細かい違いはありますが、最も大きな違いは構成員の責任の違いになります。合同会社の場合は、全員が「有限責任」のため、リスクが出資額の範囲に限定されます。持株会社としてグループの株式や資産を管理する際、個人資産と会社リスクを完全に分離できるのが大きなメリットになります。

それに対して、合名会社は全員、合資会社は少なくとも1名が「無限責任社員」となります。万が一、持株会社や傘下事業で多額の負債や訴訟リスクが生じた場合、出資者個人の自己財産(プライベートの預貯金や不動産)まで差し押さえられるリスクを負います。合資会社と合名会社には構成員に無限責任を負うものがいるので、出資を募るのが困難であったり法人化するメリットがないなどの理由で現在ではあまり選ばれなくなっているものと考えられます。

持株会社は、株式会社と比較すると初期経費を抑えて法人を設立できるというメトットがあるのですが、その中でも合同会社がもっとも人気があるのはそういった理由からだと考えられます。

株式会社

株式会社は、日本で最も一般的な法人の形態だと言えます。株式会社の最も大きな特徴は、出資者と経営者が分かれているということではないでしょうか?

株式会社の経営権を所有するのは、社長ではなく、株主です。株式会社の社長は、株主(オーナー)から選ばれた経営者に過ぎません。これを「所有と経営の分離」といいます。

ただし、社長と株主(オーナー)が同一のケースもあります。

社長が株式の過半数以上を所有しているときは、社長が会社のオーナーとなります。社長とオーナーが同一の株式会社は「オーナー企業」と呼ばれます。

会社には多額の資金が必要になる場合があります。株式会社では事業資金が必要なとき、出資者に「株式」を発行し資金を募ります。

簡単に図で示すと次のような関係になります。

株主は原則として、出資した金額を限度として責任を負うことになります。

例えば100万円を出資した場合、会社が1,000万円の債務を抱えて倒産しても、原則として株主個人が1,000万円を返済する義務を負うわけではありません。

したがって、

株式会社=有限責任となります。

その他の特徴としては、・法人としての信用力が比較的高い・資金調達がしやすいなどがあげられます。法人を設立後、事業を拡大していく段階になると株式会社は非常に有利であると言えます。ただ、定款に記載している事業を知る分には問題ないのですが、当初は実施していなかったものの数年たってから新たな事業行う予定がある場合などは定款を作成するに記載しておく方がいいと考えます。ただし、事業の数が多すぎると登記の際に補正が入る可能性もあるので説明できる範囲に留めておく必要があります。

多くの方が設立される機会が多い株式会社と、設立時のコストが比較的安い合同会社を比較してみましたので、確認してください。

以前に、「法人設立の基礎知識メリット・デメリット」も作成していますので、そちらも確認してください。

法人の設立を行うにあたって、今ではネットの情報も豊富になったので自分で定款を作成することも登記することも可能になっています。法務局などで聞きながら手続きも行えるので経費を抑えたい方は、自分で勉強して手続きをする方法もあります。ただ、安いからといって合同法人を設立したものの事業拡大できないとか、社員を増やしにくいとか、融資を受けにくいとかお困り事が発生して、法人を作り直したので余計な経費がかかることもあります。また、定款の内容が不十分で作り直したとか、登記情報を変更しないといけなくなったなども考えられます。最初のうちに専門家に相談することは結果的に安く済んだということもあるので、将来を見据えた法人設立をする必要があると考えています。

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