お役立てコラム

【グループホーム】最新のガイドラインの解説③

共同生活援助の提供すべき支援の質の向上

共同生活援助における支援は、入居前の体験的な利用の実施から、退居後の一人暮らし等に係る支援まで広範にわたる。

障害者総合支援法では、指定障害福祉サービス事業者等の責務として、関係機関と緊密な連携を図りつつ、常に障害者の立場に立って効果的に障害福祉サービスを行うように努めなければならない旨が規定されている。

・アセスメント(指定基準第58条、第210条の2)

利用状況等を把握(アセスメント)は、入居の際に一度行って終わるものではなく、入居後に支援を実施していく中で把握した利用者の特徴、傾向、表出されづらい意思等を踏まえ
継続的に行い、支援を行う者の中で共有し、利用者の状況に応じたより良い支援を目指していくことが重要とされています。

・見学・入居前の体験的な利用(指定基準第210条の5第3項) 

体験利用は、現在障害者支援施設に入所している者や医療機関に入院していて地域生活への移行を希望している者に限らず、自宅で家族と同居している者も利用は可能です。

体験利用を行う場合においても、通常の入居と同様に当該利用者に関する個別支援計画を作成しなければならないとされています。

・利用契約

① 提供拒否の禁止(指定基準第11条)

共同生活援助事業者は、次のような理由がある場合を除いて、利用申込者の入居を拒否することはできないとされています。

ア  当該事業所の現員からは利用申込みに応じきれない場合
イ 当該事業所の運営規程において主たる対象とする障害の種類を定めている場合であって、これに該当しない者から利用申込みがあった場合、その他利用申込み者に対し自ら適切なサービスを提供することが困難な場合
ウ  入院治療が必要な場合

※ 特にア及びイの場合は、運営規程に明確に記載することと、対応記録を残しておくことが重要です。

② 内容及び手続の説明・同意(指定基準第9条)

共同生活援助事業者は、入居前にあらかじめ利用申込者に対し、説明し同意を得なければならない。

ア 当該共同生活援助事業所の運営規程の概要

イ 従業者の勤務体制

ウ 事故発生時の対応

エ 苦情処理の体制

オ 提供するサービスの第三者評価の実施状況等

カ 利用申込者が自身に適したサービスを選択するために必要な重要事項

※ 説明にあたって、書面により説明、交付が必要。後見人がいる場合も同様

③個別支援計画の作成(指定基準第58条)

相談支援事業所の相談支援専門員(以下単に「相談支援専門員」という。)が、利用者の生活全般における支援ニーズや解決すべき課題等を把握し、最も適切な支援の組み合わせについて検討し、サービス等利用計画を作成する。

その後、サービス管理責任者が、サービス等利用計画における総合的な援助の方針や、利用者のアセスメントにより把握した利用者の状況及び利用者の暮らしに関する意向等を踏まえ、
当該共同生活援助事業所が提供する具体的な支援内容等について検討し、個別支援計画を作成する。

【注意点1】他の利用者の個別支援計画を流用することは認められない。

【注意点2】相談支援事業所が実施するサービス担当者会議に参加し、利用者に係る必要な情報を共有するなど、相互連携を図る。

ア 個別支援計画の原案の作成

サービス管理責任者は、アセスメントにより把握した利用者の状況や暮らしに関する希望・支援のニーズ等を踏まえ、次の内容を記載した個別支援計画の原案を作成する。

  1. 利用者及びその家族の生活に対する意向
  2. 総合的な支援の方針
  3. 生活全般の質を向上させるための課題
  4. 共同生活援助の目標及びその達成時期
  5. 共同生活援助を提供する上での留意事項
  6. 他の保健医療サービス又は福祉サービス等との連携

イ  個別支援会議の開催及び個別支援計画の確定

利用者とその家族及び利用者へのサービス提供に当たる担当者を招集して行う会議(以下「個別支援会議」という。)を開催

利用者の希望する生活及びサービスに対する意向等を確認し個別支援計画の原案について意見を求める。

利用者及びその家族に対して個別支援計画の原案の内容を説明し、文書により利用者の同意を得る。

作成した個別支援計画は、利用者及び利用者に対して計画相談支援を行う相談支援事業所者へ交付する。

※ 個別支援会議の開催に当たっては、利用者の支援に関わる従業者を積極的に参加させ、様々な従業者の意見を聞く。

※ オンラインの活用も可能である。また、個別支援会議を欠席する従業者がいる場合は、個別支援会議の前後に情報共有を行ったり意見を求めたりする。

ウ  個別支援計画の実施状況の把握(モニタリング)(指定基準第58条第9項)

サービス管理責任者は、個別支援計画の作成後、当該計画の実施状況の把握(モニタリング)を行うとともに、少なくとも6か月に1回以上は個別支援計画を見直すべきかの検討

※ 原則利用者との面接により行い、その結果を記録

※ 相談支援事業所と相互連携を図ることが必要

  • 日常生活の支援

① 利用者の意思の尊重

利用者の意思を尊重し、尊厳を守りつつ、利用者個々の障害の程度や特性を踏まえ、利用者が安心して生活するための必要な支援を行う必要

② 家事等の支援(指定基準第211条)

原則として、利用者と従業者が家事等を共同で行うよう努めなければならない。ただし、全ての利用者に対して画一的な支援を行うのではなく、利用者によって能力や目指す生活が異なることから、利用者それぞれの状態や希望を踏まえ、個別支援計画を基に利用者に応じて適切に支援内容を判断

③ 共同生活援助における外部ヘルパーの利用について(指定基準附則第18条の2)

外部サービス利用型については、外部の受託居宅介護サービス事業者に受託居宅介護サービスを委託することが可能です。
また、介護サービス包括型及び日中サービス支援型においても、次のいずれかに該当する場合は、個人単位で居宅介護又は重度訪問介護を利用することが認められています。
・重度訪問介護、同行援護又は行動援護の支給決定を受けることができる者であって、障害支援区分が4以上の者が、居宅介護又は重度訪問介護の利用を希望する場合
・障害支援区分が4以上の者で、居宅介護(身体介護に限る。)の利用を希望し、次のいずれにも該当する場合
✓ 個別支援計画に居宅介護の利用が位置付けられていること
✓ 居宅介護の利用について市町村が必要と認めること

④ 日中の活動に係る支援(基指定準第211条の2第1項)

就労や日中活動を行っている利用者 → 利用する日中活動サービス事業所や就労先等との連絡調整に努める

就労や日中活動を行っていない利用者 → 相談支援事業所等と相談・連携し、新たな日中活動サービス等に関する情報提供

⑤ 余暇活動の支援(指定基準第211条の2第1項)

利用者それぞれの希望を尊重した上で余暇の過ごし方の提案や企画を行うなど、余暇活動に係る支援

⑥ 社会生活上必要不可欠な手続等の代行(指定基準第211条の2第2項)

郵便や証明書の交付申請等、利用者が日常生活を営む上で必要な手続について、利用者又はその家族が行うことが困難な場合、その都度利用者、その家族又は成年後見人と相談

金銭に関わる手続については、事前に利用者、その家族又は成年後見人相談。代行した場合は、その都度、適切に手続が行われたことを利用者、その家族又は成年後見人に書面にて提示

(代行した場合は、複数にて確認)

⑦ 利用者の健康管理

利用者が健康的に生活を送るために、管理者を中心とし、世話人や生活支援員は利用者の日々の健康管理に務める。

⑧ 家族との連携(指定基準第211条の2第3項)

共同生活援助事業者は、常に利用者の家族と連携を図るとともに、利用者とその家族が交流できる機会等を確保する。

  • 退居

① 退居に係る利用者の意思確認

共同生活援助事業者は、利用者から退居の希望があった際には、当該利用者の家族や支給決定者である市町村、相談支援事業者及び利用する他の障害福祉サービス事業者等と密に連携を図り、利用者の希望を丁寧に汲み取った上で、退居の意向が利用者本人の同意に基づくものであることを確認する。

※ 事業所が利用者の意思に反して強制的に退居を迫り、一方的に解約を行うことは、利用者の安定した生活基盤の確保を阻害するものであり、避けなければならない。

② 退居に向けた支援(指定基準第210条の2第3項、第4項)

共同生活援助事業者は、退居の理由にかかわらず、利用者の希望を踏まえた上で、市町村や相談支援事業所と連携し、転居先の確保、退居後の保健医療サービス又は福祉サービスの利用の検討等を行う。

③ 一人暮らし等に向けた支援

令和4年の障害者総合支援法の改正により、共同生活援助の支援内容として、一人暮らし等を希望する利用者に対する支援や、退居後の一人暮らし等の定着のための相談等の支援が含まれることが明確化された。

入居中に一人暮らし等を希望する場合の支援

個別支援会議を開催し、本人の希望する生活や意思について共有し、個別支援計画の見直しを行う。その上で、希望する生活に向けて住居の確保等の支援を行う。

※ 居住支援法人又は居住支援協議会がある場合は相談し、市町村(自立支援)協議会や保健・医療・福祉等の関係者による協議の場に対して、住宅の確保や居住支援に関する課題を報告(必ずしも必須ではない)

入居前から一人暮らし等を希望する場合

単身等での生活が可能と見込まれる者については、一定期間の支援で一人暮らし等を目指す移行支援住居において、一人暮らし等に向けた支援を行う。

移行支援住居への入居に際して、利用者の意向を反映した個別支援計画を作成し、当該計画を基に、住宅の確保や退居後の一人暮らし等に移行するための活動に関する相談、外出同行、他の障害福祉サービス事業者や医療機関等の関係機関との連絡調整等の支援を実施

居住支援法人又は居住支援協議会に対して、利用者の住宅の確保や居住の支援に必要な情報を共有

居住支援法人と協力して、利用者に対して在宅での療養上必要な説明・指導を行った上で、利用者の同意を得て、市町村(自立支援)協議会や保健・医療・福祉等の関係者による協議の場に対して、住宅の確保や居住支援に関する課題を報告

④ 退居後の支援

利用者が退居し一人暮らし等の居宅へ転居した後も、新しい暮らしに馴染むため、一定期間、関係性のある共同生活援助事業所の従業者が訪問により支援をすることが重要である。

  1. 利用者の居宅への訪問による心身の状況、その置かれている環境及び日常生活全般の状況の把握
  2. 生活環境の変化に伴い必要となる情報の提供及び助言(ゴミ捨てに係ること、家電の使い方、買い物場所の確認等を本人とともに実施する)
  3. 生活環境の変化に伴い必要となる障害福祉サービス事業者等や医療機関等との連絡調整(サービス担当者会議等への出席や、事業所等への同行支援等を含む)
  4. 協議会等への出席、居住支援法人や居住支援協議会等との連絡調整その他の関係機関との連携等を行う。

(7)利用者の希望を踏まえた結婚、出産、子育てに係る支援

共同生活援助事業者は、相談支援事業所や関係機関と連携し、次の点に留意しつつ、利用者の希望を踏まえて結婚、出産、子育ての支援を実施する必要

  1. 利用者から同棲や結婚等の希望があった場合には、サービス管理責任者が意思決定の支援に配慮しつつ、利用者の相談に応じること
  2.  利用者の希望や相談内容を踏まえ、必要に応じて、個別支援計画の見直し を行うこと。その際、アパート等での生活を希望する場合には、住宅の確保やその他必要な支援を行うこと。
  3. グループホーム入居中に利用者が妊娠した場合には、こども家庭センター等による相談支援につなげ、連携して支援を行うこと。

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